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騒がしい中、食事を始めた俺だけど何故か食欲が湧かない
泣きそうに歪んだ顔の友人のせいだろうか?
それとも俺が、ただ食欲が無いだけなのか
答えが出る前に目を反らして目の前にあるカレーライスを平らげようではないか
「誠太!!お前もオムライス食うだろ?」
「あ、いや僕…」
「友達だからな!!」
誰もが顔を歪め彼らから離れて行くのを視界におさめ
俺はカレーライスを食べ終えた
それと同時に悲鳴のような歓声が響き渡り目の前に座る松田の顔が歪む
生徒会様のご登場だ
生徒会は家柄も良く有能で顔も良いから人気があるのは、よく解る
俺の知り合いにも
顔は良いが曲者ぞろいだからか奴らの恋人になる人は苦労するだろうなぁなんて思う
まぁ、ここの生徒会もそれなりだが奴らに比べればひよっこのまたひよっこだ
だから…
「また、こんな平凡と居んのかよ?」
「同感ですね」
「そーそー。平凡君も自分が邪魔だって解んないのー?」
一人の生徒に惑わされ
善悪の区別もつかなくなってしまったんだ
前はこんなのじゃなかった
会長は俺様だけど実は大の甘党で、よく親衛隊とお茶会なんかしてたし
副会長は毒舌で腹黒だけど、けっこう暑苦しいほどの熱血漢で
書記はチャラチャラしてるけど…確かに親衛隊を食い散らかして最低野郎だけど
人を傷付ける言葉なんて言わなかった
だから俺は大好きだったんだ
生徒会も
親衛隊も
先生たちも
クラスメートも
この学園の人間
全員が……
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