わきやーく壱

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「ほら飲め」 「ハッ、先生が優しいなんて隕石が堕ちてくるんじゃ…」 「ア?」 「ありがとうございますぅっ!!」 そのカタカナでア?って言うの止めてマジで恐いから あの後 伸びた俺を先生は中庭まで引きずって来たらしく目覚めた瞬間 暖かいミルクセーキを渡された 「……あま」 「………」 チラリと隣に座りタバコを吹かす先生を見てみれば、やっぱり疲れてるように見えた うん…気まずい 「てんてー、いる?」 「あ?」 ミルクセーキを差し出せば嫌そうに顔を歪められる そんなに嫌か 俺の飲みかけはっ 仕方ないからポケットを探ってみれば出てくる出てくる ガムにチョコレート 飴玉にキャラメル 「お好きなのドーゾ」 「甘いもんばっかだな」 「失敬なっ」 更にポケットから取り出すのは 「…なんだコレ」 「地球でいうアッハーンな本を縮小し携帯型にしたミニミニ本…へぶしっ」 頭に手を置かれたかと思うと、そのまま地面へと叩きつけられた そして俺が丹精こめて作った汗と血と涙の結晶をビリビリに破る先生の顔は 「ふぅ、スッキリした」 清々しく 輝いていました 逆に俺は 「ノ…Noォォォっっ!!俺の楽園があぁぁっ」 泣き叫びましたとも 恨めしげに先生を見上げれば 「気持ち悪い顔、向けんな」 とまぁ一刀両断 ミニミニ本は、また作るとして俺は飴玉を口に放り込む先生をボンヤリと見つめる 先生は確か生徒会の副顧問だったよな?副顧問の先生が、こんだけ忙しいって事は顧問は大丈夫なのか?
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