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現在、私は広間の真ん中に正座させられている。
私の正面には三人の男の人。左右にもちらほらと人がいる。
三人のうち一番目つきの悪い人が話しかけて来た。
「お前何者だ?どこからきた?」
「待ってました!橘桃、十七歳。好きなものは剣道と甘いものと沖田総司です!
そして今は何年ですか?」
「いいから俺の質問に「何年かわからないと答えられません」……文久三年だ」
文久三年ってことは江戸時代!しかも幕末!
神様ありがとう。誠川ありがとう。
私は幕末に来れました!!
感動して、自分の世界に浸っていると、目つきの悪い男に怒られた。
「答えたんだから言え!お前は「私は今から150年先の未来から来ました!」……はあ?」
目つきの悪い男だけでなくみんな、呆れたといった様子だった。
そんな様子に気付きながらも、私は未来から来たということを納得させるために考える。
壬生浪士組筆頭局長 芹沢鴨
たぬきみたいな容姿をしていたと聞くが、そのような姿は見当たらない。
そして、今は文久三年。外のもみじが紅くなっていたから、多分秋辺り。
だとしたら、もう暗殺されていてもおかしくないはず。
「嘘じゃないですよ?
……とりあえず、芹沢一派は暗殺したみたいですね。芹沢鴨らしき人物が見当たりませんから」
そう言うと部屋の温度が下がった気がした。
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