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「あれは事故だ。長州の奴らに殺されたんだ」
「嘘はよした方がいいですよ。えーっと……豊玉さん?」
目つきの悪い男は急に焦り出す。みんなは、豊玉?誰それ?といった感じでキョロキョロとしていた。
それを怒鳴りつける目つきの悪い男、もとい土方歳三。
幹部たちは、シャキッとした。
何これ……めちゃくちゃ面白いんだけど!
ニコニコしている私とは対照的に、土方歳三は鬼のような形相だった。私は自分で止めてしまった話の続きをし出す。
「芹沢とその妾、お梅を刺殺。あと平山もですね。平間は逃亡したらしいですけど。
間違ってますか、これ?」
そう言うと土方歳三は渋い顔をして私を見る。そして口を開いた。
「お前は何を知っている?」
何を知っている、か……。
「私は全てを知っています。あなた達に起きたことも。これから起きることも」
私の答えに、土方歳三はニヤリと笑った。
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