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魁先生と呼ばれているわりには、中々仕掛けてこない。
仕方ないから、私から勝負にでる。
バシッ!!
「速っ!いつ間のに!?」
「そんなこと言ってる場合ですか?」
バシバシと藤堂さんに打ち込んでいく。受け止めるのに必死なように見える。
「うわっ!」
そして、藤堂さんが体制を崩したところに今までで一番強く打ちこんだ。
「一本。橘の勝ちだ」
「よーし!身長は負けてるけど、剣は私の勝ち!次々!!」
あっさり勝ってしまった。
その後六番隊組長、井上源三郎さんにも勝ち、残る人は斎藤一・永倉新八・沖田総司になる。
流石にこの三人はきっついな~。
「じゃあ次は二番隊組長、永倉さんでお願いします」
「俺は前の三人と違って、簡単にはやられないぞ?」
笑みを浮かべる永倉さんに、私は思わず見惚れてしまう。
黒い髪にシュッとした顔立ち。笑った顔はとても爽やかだ。かなりのイケメンだ。
もう試合が始まっているのに、私は口に出してしまった。
「永倉さんって、かっこいいですね」
「おっ、そうか!ありが「あっ、隙見っけ。一本」……」
照れている永倉さんは一気に隙が出来ていて、私は迷わずそこを突く。
「ちょ、待った!今のなし!」
「男がぐだぐだ言うのかっこ悪いですよ。次、三番隊組長、斎藤一様よろしくお願いします!」
そう言うと、さっき私を引き摺ってきたうちの一人の無口な人が私の前に現れる。
「あなたが斎藤一様ですか!?」
「……ああ」
喋ってる!私今、斎藤一様と喋ってるよおおお!!!
沖田総司に並ぶ剣客、斎藤一。もちろん憧れないはずがない。
「橘、始めるぞ?」
「はい!」
私は今、とてもワクワクしていた。
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