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すぐに目を潤ませて、沖田は近藤さんを見る。そして信じられないことを言った。
「近藤さん、僕、橘さんに襲われそうで怖いです!
だから小姓はともかく、同じ部屋は無理です……」
「はぁ?ないない!ありえない!
沖田……さんを襲うわけないです。断じて!」
危うく、呼び捨てで呼んでしまうところだった。仮にも自分の隊の組長を。
近藤さんは困った表情を見せる。悪いと思ったけど、こればかりは譲れない。
すると、局長という声と共に一様が立ち上がった。
「もし橘さえよければ、俺の部屋でどうでしょう?」
「斎藤君!?……橘君はそれでもいいかい?」
近藤さんの問いにコクコクと頭を振る。一様と同じ部屋だなんて、畏れおおいくらいだ。
「じゃあ橘君、斎藤君にこの時代について色々教わりなさい。
ああ、あと総司の小姓、頑張ってね」
「橘、行くぞ。失礼します」
「近藤さん、ありがとうございます!
私、精一杯頑張らせてもらいます」
みんなに頭を下げて、一様に着いて広間を出て行った。
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