たんぽぽが丘魔法士協会

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       1 「きょうの連絡は以上です。部活のない人は、途中で道草したり、遊び回らないようまっすぐ帰るように。」  先生の挨拶が済むと、すぐさま委員長の号令がかかる。 「起立、礼っ。」 「ありがとうございましたー。」 ホームルームが終わり、教室は一気に騒がしくなる。 「きょうウチ寄ってかない? きのうミドのアルバム買ったんだー。」 「あー! あれいいよねー。」 「駅前通りのドリグーで通信してこうぜ。」 「ドリグー?俺こないだ駅にいたらさ、20人すれ違ってたよ。」  みんなが人気アーティストや携帯ゲーム談義に夢中しているなか、優海はさっさと荷物をまとめ、一番乗りで教室を飛び出した。  校門を出て『心臓破りの坂』を下ると、先ほどの大通りにぶつかる。優海は朝来た道を逆にたどって、交差点までやって来ると、そこで左に曲がってゆく。  そのまま100メートルほど歩くと、周りを郵便局やスーパーマーケット、コンビニや書店に囲まれた、広場のような場所へ行きつく。新風原駅前のロータリーだ。  優海は、スーパーマーケット前にある停留所へ歩いてゆく。タイミングよく、たんぽぽが丘ゆきのバスが来たばかりらしい。  ステップを上がって右側後部の座席に腰をおろすと、優海はバスの窓越しに、外の景色をながめ始めた。  まもなくバスが発進し、窓の外の景色がゆっくりと流れ出す。image=483370960.jpg
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