たんぽぽが丘魔法士協会

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すると、口の中いっぱいに、香ばしい香りと独特のほろ苦さが広がる。 「……これってもしかして……コーヒー?」 いぶかしげにたずねる優海に、亜美さんはニコニコしながら答える。 「当たり!……と言いたいところなんだけど、ただのコーヒーじゃないの。」  やっぱりそうか。  コーヒーはそんなに好きじゃないから普段はあまり飲まない優海だったが、なんとなく味や香りがちがう気がしていた。 「じゃあ、これって何?」 「じつはね、これは乾燥させたタンポポの根っこを炒って、ドリップしたものなの。」 意外すぎる亜美さんの答えに、優海はびっくりぎょうてんした。 「ええっ、タンポポ!?タンポポって、そのあたりに生えてる、あの?」 「そう。昔からタンポポの根っこは漢方薬として知られていて、アメリカやヨーロッパでは、薬用のほかに、コーヒーの代用品として飲まれてきたのよ。」 「へぇ……ぜんぜん知らなかった。」  カップの中でゆらゆらしている『たんぽぽコーヒー』をまじまじと見つめながら、優海はつぶやく。 「最近では、ハーブを扱っているお店や自然食品店でもときどき見かけるようになったけれど、ちょっぴり高めだから、あまりなじみはないかもね。」  亜美さんの説明を聞きながら、優海はコーヒーをまた一口すする。 「……うん。最初は苦いと思ったけど、ミルクを入れたらけっこう
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