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は正真正銘、本物のツツジの化身よ。空気の汚れや乱れをきれいにする力を持っているの。」
言いながら亜美さんが近づくと、ユキと名乗ったツツジ(らしい)は嬉しそうに、亜美さんの頭に飛びうつる。
亜美さんは、頭の上のユキにちらりと目をやってほほえむと、説明を続けた。
「この子も、もともとは私が小さいころから育てていた、ふつうの西洋ツツジだったのよ。ユキがこうして自由に動いたり、しゃべったりできるのは、私のパートナーとして『契約』をしたからなの。」
「……けいやく?」
「そう。協会修練士は、免状をもらっただけでは、まだ魔法は使えないの。使えるようになるためには、自分の身近にいて、心を通じあわせられるような生き物の力を借りる必要があって、その生き物と生涯パートナーの関係をもつ約束をすることを、私たちは『契約』とよんでいるの。」
亜美さんの説明にじっと耳を傾けていた優海だったが、話をそこまで聞くなり、急に不安そうな顔つきで声をもらした。
「生涯のパートナーって……もしかして、その動物とかと結婚しなきゃいけないってこと!?」
それを聞いて、亜美さんは笑いだす。
「安心して。べつにそういう意味じゃないから。
……ただね。一度契約したらパートナーを変えることはできないし、魔法を使うときは、パートナーがそばにいることが必要だから、それだけ相手を縛ってしまうこと
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