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そんなことを考えておびえている親友のようすに気づいたのか、優海は念のために質問してみた。
「……小梅ちゃん、なんか勘違いしてない?」
「え?」
「やっぱり犬とか猫とか、可愛い動物がいいんだけど……心を通じあわせるなら、赤ちゃんからのほうがやりやすい気がするんだ。」
それを聞いて、小梅は恥ずかしそうにてれ笑いする。
「なぁんだ、動物の赤ちゃんならそう言ってよぉ。私すごいバカな勘違いしちゃった。」
さすがに、人間の赤ちゃんを食べようとしているかもしれないと思っていたなんて言えなかったので、小梅はすぐさま話題をそらした。
「やっぱりまだいい子は見つからないんだね。」
「うん……私もはじめは、こんなに難しいとは思ってなかったよ。」
「そうだ、ノラとかどうかな?」
ノラというのは、この学校に住みついているメスの野良猫だ。いつからいるのかは知らないが、ひげものび放題だし、一日中昼寝ばかりしているから、きっとかなりのおばあちゃん猫だろう。
「うーん、ノラかぁ。たしかに猫だけど、もうすごい歳だし……。」
「ダメかぁ。……あ、そうだ!小鳥を餌づけするのはどうかな?」
小梅の言葉に、優海は頭の中の暗がりに、まばゆい光が差しこんだような気持ちになった。
「それだぁ!なんでいままで気づかなかったんだろう。」
優海は小梅のとなりに回りこん
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