第3話 深淵の森

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――――――――――――――― 【詩音side】 1階層(洞窟フィールド)に立ち込める少量の瘴気が、侵入者たちの体を蝕んでいく。 侵入者たちはそれに気付かず、未だに一度の戦闘も行うことなく、1階層の奥へ奥へと進んで行ってしまう。 洞窟状の足場の悪いダンジョンの奥へと進むほど瘴気の量が増え出し、濃度が増していく。 侵入者たちはそんなことは知ったことか、といった様子で、途中途中に時々見かけるマンドラゴラをも無視してダンジョンを進んでいく。 マンドラゴラもゴブリンたちに自分から仕掛けるような真似はせず、泥水に埋もれながらゴブリンたちに気付かれないようにブレスで瘴気を吐き出し続ける。 そんなことが続いてしばらく、ゴブリンたちは中部屋を縦長に5つ繋げた長部屋の分岐道に突き当たり、その歩みを止める。 ゴブリンたちがダンジョンに入ってから見つけたがスルーした魔力の泉のある部屋とは違い、今度はその先にまだまだダンジョンが続いている。 ゴブリンたちはどちらに進むか迷うが、とりあえず群れを二つに分け、それぞれの分岐道へと進んでいくことにする。 ―――――――――――――――
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