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***逆上る事数刻前***
「よっと…」
奥州は米沢城の城壁の上に音も無く降り立つ影が一つ…
此所、米沢城は容易く忍込める様な場所では無い…
しかし、この忍には関係ないようである
「こんな時間に来ちゃったけど大丈夫かなぁ…」
庭先に降り立ちながら、心配気に呟くのは、猿飛佐助その人である。
今は、夜半過ぎ…漆黒の夜空にはまるで支配者の様に満月が怪しく輝き佐助を照らし出している…
今回の目的は、想い人の片倉小十郎…
久方振りに仕事が落ち着き、やっとの思いで逢いに来る事が出来たのである。
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