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静寂を破ったのは、山本の一声だった。
「犯罪なんて、今更恐れることじゃねえ。それに、今目的を果たさなければ、一生後悔するぞ」
岩島は、大きく頷いた。
「ありがとう山本。俺、目が覚めたよ。おっぱいの為なら、先生なんて怖くねえ。ここは俺が食い止める。早く、早く行ってくれ。残念ながら、俺はおっぱいを拝めそうにないがな」
そう言い残して、岩島は権堂の方へ駆け寄って行った。
「急げ、岩島の死を無駄にするな」
山本の声に、皆一斉に垣根へ体当たりを始めた。
「そこをどけ、岩島」
「嫌です」
垣根はやがて音を立てて破れた。六人は女湯の湯気の中へ目を凝らした。そこに人の気配はなかった。
「遅かったか…」
七人は一晩中、冷たい廊下に正座を強いられた。
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