普通の生活が消えた日。

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しげる「何言ってんだよ。 ただでさえ学校で会うのに そのうえ家も隣りなんだぞ?」 真理子「私………………………………引っ越すの。」 しげる「………………………………………………………………………………あぁ!! またいつもの冗談か。 お前、その冗談きついって! ちょっと本気にしてまったが!」 真理子「冗談じゃない!! 私だって、できれば引っ越したくないけど………………………………もう、どうしようもないの。」 マジかよ…………。 しげる「どこに引っ越すんだ? たまには帰ってくるんだろ?」 真理子「多分…………………もう帰って来ないと思う。 今度住む所、アメリカなんだ…………………。」 しげる「…………いつ行くんだ?」 真理子「明日の朝。 だから今日が学校に行けるのも 最後だし、 しげるに会えるのも、 最後だったんだ。」 何でもっと早く言わねぇんだよ。 もっと早く言ってくれれば 俺だって………… しげるは、悲しさを隠し できるだけ明るく振るまった。 しげる「そうか………。 じゃあ向こうでも頑張れよ。」 真理子は泣き出してしまった。 しげる「泣くなって。 またいつか会えるって。」 しげるは、真理子を慰めるように言ったつもりだったのか 自分を慰めるように言ったのか、よくわからなかった。 真理子「しげる。 最後に……会ってくれて、 ありがとう。」 しげる「んな事言うなって!」 真理子「私、どうしても最後に しげるに会っておきたかったの。 しげるの事………………………………好きだったから。」
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