もう一人の部員

3/3
前へ
/10ページ
次へ
確かここの高校は各自弁当を持参のだから、給食なんて一回もなかったはずだが…? 「あの…、その委員って一体なにするんすか?」 「みんなのご飯を貰うのが仕事なんだよ~。委員を決めてるときにお腹が減っていたから勝手に作って入っちゃった~」 あ~!なるほど!!逆の発想でみんなにご飯を分けるんじゃなくて貰うのも給食委員ってわけか!納得納得!! 「……って、んなわけあるかぁいいーー!!何変な委員つくって勝手に入ってるんすか!?しかもすげー迷惑だし!」 「大丈夫だよ~。クラスのみんなからは『真子はかわいいからあげる!』『真子はなんかあげたくなる雰囲気してるんだよね~』『いっぱい食べて大きくなりなさいよ!』ってちゃんと承諾も得ているから~」 「なんか部長…、クラスから良くはされてるけどペット扱いみたいな感じなんですね」 「失敬な~。みんなから愛されてるって言ってよね~。ふにゃ~~」 まぁ確かにそんな横暴な委員を提案して通るなんて、クラスから愛されてるんだろうなぁ~。……あの容姿だしな。 「はぁ~、俺も部長みたいに生まれたかったってですよ」 「…………」 「……部長?」 「すーすー」 「……寝ちまった」 よほどソファーの居心地がよかったんだろうか、部長はとても気持ち良さそうな顔をして俺との話の途中に寝てしまった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加