青謳部

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「戦争って大袈裟ね……。この後私があんぱんといちご牛乳買ってあげるから」 「千尋先輩、そんなんで部長がおさまるわけ………」 「え、本当!?やったー!じゃあもうやめてあげるー!」 「………」 「よしよし、いい子いい子」 「えへへー」 ……あれ、あれだけ謝っても許してもらえなかったのにいとも簡単に問題が解決した!? 俺はソファーの方へ歩き、小声で千尋先輩に話しかけた。 「すみません千尋先輩。なんか釈然としませんが、お金の方は俺が出しますんで」 「それぐらいいいわよ。いつも真子ちゃんと遊んでくれているお礼」 「いつも遊んでくれてるって……。まぁまたこのお礼はいつかしますね」 「ふふっ、楽しみにしておくわ」 クスクスっと口元に手をやって笑う千尋先輩。 本当部長とは正反対で大人っぽい人だよな。 俺、高宮和志(たかみやかずし)は2ヶ月程前に星雲学園に入学した高校一年生だ。 先ほどのあんぱんで怒ったり喜んだりしている人が2年生の安城真子(あんじょうまこ)先輩。 俺の所属している部活の部長であり、この部結成の張本人でもある。 そして、今の喧嘩に止めに入った、すらっした身長にさらさらとした栗色の長い髪の毛の女性が副部長の咲本千尋(さきもとちひろ)先輩。 なぜこの人が部長ではないのかと疑ってしまうぐらいの全てが完璧すぎる人だ。 後、他にも部員はいるのだがまだここには来ていない。
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