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逃げているのに必死で俺が入ってしまった場所に気づかなかった。
こんな、人も寄り付かなさそうな。
ーー廃墟?
そう、廃墟
入っては上に続く階段をひたすらにかけ上がっていた。
聴こえる、俺を追いかける足音が
それも。
ーー複数?
あれは1つではない、聴く限り3、4の足音
いや、そもそもこれは。
ーー足音?
解らない、足で歩いているのかどうかも。
だってあれは人間ではないのだから。
重く震えだしたその足取りで着いた先は。
ーー屋上?
そう屋上だ、風が吹き遠くから光る街灯が今の俺には心地よく感じる。
そんな喜びも一時、すぐにあれはやってくる。
ーー来た?
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