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「意味分かんないんですけど……」
天魔 桃花は姉から渡された封筒の封を開き、中を見ていた。
入っていたのは一枚の『我が学園に貴女を招待します』と印字された厚紙と、更に封筒、そして青い箱だった。
桃花はその中から封筒を手に取り、中の手紙を読んでいた。
中には一枚の白い便箋が二つ折りで入っており、ワープロ文字でこう書かれていた。
『この手紙が届いた諸君には、我が学園都市Arkに特別編入をする資格を与える。
学費、寮費、身の回りの必需品から各々の学力にあたり全て当学園がその責任を全て負うものとする。
尚、決定権は諸君等のものである。
もしも編入の意志があるのならば、同封したブローチを身に付け来たる11月4日午前10時学園都市Arkの門を叩かれよ。
全てはブローチが指し示すであろう』
桃花はしばらくその無機質な手紙を見つめ、そして机の上に置いた。
「……学園都市Ark」
その名は情報に疎い桃花でも聞いたことあった。
確か小中高一貫全寮制の学園で、その広大な土地の中には生活必需品から衣類玩具書物に至るまでさまざまなショップが建ち並び、喫茶店から食品スーパーまである。
言ってしまえば学校を中心とした一つの町である。
故に『学園都市』なのだ。
「なんかこれ詐欺くさくない? ってゆかArkの場所とか知らないんだけど……」
そう、Arkの場所は安全措置の為だかで公開はされていないのだ。
理由は簡単、各界大富豪の御子息等が多くその学園にいるからだそうだ。
それほどに学園都市Arkの入学金や年間費等は膨大な額であり、言ってしまえば桃花の様な一般市民には一生縁のない筈だった。
「とりあえずー」
桃花は細かい文字と睨めっこしていたせいか、今日一日受けた授業の疲れだかで霞む目を擦りながらベッドに自らの体を放り込んだ。
「寝る」
そのまま四肢が布団に沈んでいく感覚を感じながら目を閉じた。
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