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「金嶋さん。昨日のアレ 知りませんか?」
後輩から訊かれれば 昨日の彼女の動きを思い出し
『これ?』とファイルを手渡す。
「なんで分かったんです?ありがとうございます。」
いえいえ。
軽く頷くと 彼女は急いで部屋を出ていった。
のんびりと彼女の出ていったドアを眺めていると 後ろから声を掛けられた。
「金嶋さんって 本当に頼りになりますね。」
振り向くと後輩の笹沼と長岡がニッコリと私を見ていた。
「後ろから見ていても頼りがいのある背中ですよ」
と 口元を緩めながら話す長岡。
『そんなに大きくない背中だと思っているんだけど?』
私が冗談で返すと笹沼が私の背中に抱きついた。
「あったか~い♪先輩の背中♪」
万年冷え性の笹沼はしょっちゅうこうして抱き付く。
まぁ…可愛い後輩だから許すんだけど。
「いいなぁ…。俺もしてみたい。でも 俺がするとセクハラだから出来ないや。」
「勿論♪先輩の背中にギュッて出来るのは私だけですからね♪」
長岡の残念そうな表情に笹沼が舌を出す。
私はただ ニッコリと笑うだけ。
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