メリーさん

3/33
前へ
/72ページ
次へ
恐怖状態になりドアの前にはバリケード。 イスや本棚、何か置ける物をとにかくおいた。 そしてそのまま布団にくるまる。 だがしかし 「捕まえた」 そう言って振り返ると─── 「メリーさんに殺されてしまいました。 という話さ」 話を読み終え、パタンと一つの本を閉じる表紙のタイトルは「世界の都市伝説」という本。 コンビニでも売ってそうな本だが暇つぶしと読み聞かせにはもってこいだ。 特に小さな子供に対してなんかは。 「うぅ……こわいよぉ」 「うえーん!」 本を読み聞かせていた青年、山岸成(やまぎし せい)はボランティアで地元の幼稚園にやってきていた。 遊ぶこともよいのだがどうせならと怖い話を聞かせた。 なぜあえて怖い話なのかというと、季節的に涼しくなるだろうかなと思ってのことだ。 季節は真夏。 ピッタリの話だと思ったのだがかなりダメだったみたいだ。 「ごめんごめん!じゃあ!今度は楽しいお話を聞かせてあげよう!」 そう言って成は夢と希望であれた話を聞かせることにした。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加