Kiss 1. Le Petit Prince (星の王子様)

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シーーーンと静まり返ったオフィスの中で、 皆が呆然と私と東雲リーダーを見つめている。 降参宣言をしようとしている私の前で、 城田君と紫優ちゃんが、ガッツポーズでエールを送る。 もう...無理ぃ~~ 泣きそうなのを堪えつつ、もう一発起死回生を狙ってみた。 「確かに....確かに..声大きかったかもしれません!! 場を乱したことに対しては、謝罪します。 それに私は第二営業部で、ただの事務員でした!!! 営業マンじゃないです!!けれど! 同じ場所で働いていた仲間の成長を称えるのに、 立場とか関係ないと思うんです! 仕事で人を差別するのは良くないとおもいます!」 い....言っちゃったぁあぁ~~。 腕組みをして黙り込むリーダーに、 しょぼいジャブでも、クリーンヒットしたのかと思い、 拳を作って小さくガッツポーズを作った。 「ふーん。 天下の第二営業部の事務員なんかやると、 口だけは達者になるみたいだな。」 「んな!」 「5分。 お前のせいで全体が5分のロスだ。 文句は、拘束時間を終えてからにしろよ」 「昼に訴えに行きます」 「昼は、拘束時間だ、それぐらい覚えとけミジンコ」 「...ミジンコ??ミジンコって誰のこと?」 遠くの席からひそひそ声が聞こえてくる。 今まで私を認識していなかった経理部の人々の視線が 私へと向いた、「仕事します!!」 隠れるように、がたんと席に座り入力し始める。 経理部の多くの人間が、私のニックネームを知ったところで、 舞の一世一代の勇気を振り絞った、航海は終了。 見事なまでに、舞のミジンコ船沈没です。 .
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