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「2、......1
小栗!!
お誕生日おめでとう!!!!」
佐藤が叫んだ声が、エコーを響かせてとどろいた。
「あ、そか俺.....今日、誕生日?」
「そう! リヨン時間だけどねっ」
佐藤が恥ずかしそうに笑った。
佐藤のサプライズに、思わずにやける顔。
「...ったく、どんだけビビらせんだよ....」
「びびった? びっくりしたんだ、やったねぇ~♪」
佐藤の明るい声が響き、この場所が何処であるかを忘れた。
一瞬のうちに、アイツの左側に呼び寄せられる。
アイツの引力。
やっぱ凄いわ、佐藤。
「え?なに?」
佐藤の声が聞こえる画面から隠れて、
瞳から零れ落ちた星の欠片を手のひらに掬い取った。
遠い星の先へと、
あいつのいる空へと投げた。
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