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「言い訳無用。
勝手に仕事中抜け出した罰だな。
今夜残業させるから、其のつもりで」
「ええ?そんな!理不尽すぎです!
そもそもウチのチームの仕事じゃなくて
お手伝いで更に残業までしてもう朝ですよ!
少しぐらい休憩したって、なんの罰も当たらないと思いますが!!」
「あ?なんだ?他の仕事もやりたいって?
いーけど、アーそういえば、経営戦略部から大量に決算書回ってきたなあ~~
お前がそんなにやりたいんだったら、全部任せるけど?」
「ざ....残業させてください」
横暴な上司の言葉に、肩を竦めて降参を告げる。
「よーし、いい子だ」
子供の行動を称えるかのように、頭をぽんと、手を弾ませて叩いた。
「った!暴力反対...」
小声で、聞こえないように訴えてみる。
叩かれたつむじの辺りを掌で撫でた。
何気に叩かれた場所が鈍く痛んだ。
痛がって、涙を零しそうな私の隣で、東雲明夜が視線を手に握られている鞄へと向ける。
「で、なにしてた?鞄持って」
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