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「へ?あ、いや別になんでもないです!」
事実が、キツネにばれたら、大変だ。
エレベーターホールのランプが点滅し、乗り込んだ。
5階のボタンを押し、壁に寄りかかる東雲リーダーが、
深く長い溜め息を吐いた後、吐露し始めた。
「帰ったのかと思ったよ。昨日の夜、佐藤のこと、怒鳴ったから」
「そんなことで、帰ったりしませんよ。
それより、東雲りーダーでも怒鳴ったこと気にしたりするんですね」
「はぁ?
お前のミスをちょっと、怒ったぐらいで泣きそうな顔なんかするから、
パワハラって訴えられたら俺の査定に響くんだよ」
逆切れ気味に、怒り始め釣りあがった目が更に上へと上がった。
「査定ですか..」
「お前に俺の昇進の脚を引っ張られたくないからな」
「以後気をつけます」
「まあ、良かったよ、ミジンコ並みの心臓は持ち合わせてるみたいで」
更なる暴言に、
誰がミジンコかを探した。
だが自分ひとりしか居ないことに気づいた。
「み、ミジンコですか?わたし」
「一応、心臓あんだろ?」
「あ...ありますとも!!」
一体、私を何だと思ってるんだ?
それより....
ミジンコに心臓って。。。。あったっけ??
「ぶ」
いきなり噴出され、くくくくと低く笑い始めた。
「な...なんですか?」
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