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「いや、我ながら、上手いな~って思ってさ」
「は?ミジンコがですか?」
「判ってるねぇ~、ミジンコちゃん」
「わ、!判りません!!それに、ミジンコとか呼ばないでください」
「別にいいじゃない、結構可愛いと思うよ?ミジンコ」
見下したように視線を向けて微笑んだリーダーの顔を睨みつけた。
確実に...悪意に満ちてる....。
「それで、ミジンコちゃん。
伝言頼める?」
「え?なんですか?
ミジンコ並みの心臓の私に、
一体どんなご依頼をされるんでしょうか?」
私のイヤミに答えずに、
氷の微笑を湛えて、
エレベーターが止まると同時に口を開いた。
「お誕生日おめでとう。
俺からも、彼氏にお祝いの言葉伝えておいてね」
「....ひい!!!!」
エレベーターが開いた隙間から、すいっと消えていった我が上司の背中を見つめた。
一瞬遅れて、事態に気づいた。
「...バレ..バレ...バレてましたか...」
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