Kiss 1. Le Petit Prince (星の王子様)

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「ぶ!なわけ無いだろ」 思いっきり噴出した上司を睨みつけてみる。 「え、でも監査って言ったら、 会社の警察ですよ?何か不正があったから動くんですよね? それを頼むって事は... つまり経理部に不正をしている人間がいるとか!」 びしりと名推理を披露して見せた! 「犯人は!この中に…は、...居ませんね...」 最後の言葉を告げる前に指を掴まれ、引き下ろされた、 おとなしく腕を下げる。 「お前の発想力って凄まじいな」 「...違うんですか?」 「ドラマの観すぎだ、 遊んでばっかりだと、彼氏の誕生日が終るぞ?」 「...終らせようと思って、残業させてるんじゃないんですか?」 「其処まで俺は、心無い人間じゃないよ」 「...そうでしょうか?なんだか、邪魔されてる気がします」 「それは失礼、 だが、 お前のアフターの予定なんか知ってるほど 親密な関係じゃないんでね? 帰りたいなら帰りたいといえばいいだろ?」 「今朝みたいに聞き耳立ててれば、帰りたいかどうかぐらい、気づくかと思いますけど?」 鼻を鳴らした上司に、 今朝方のトイレでの小栗との会話を 盗み聞きしていたことを指摘した。 「ミジンコはさ、 そんなにオレが、ミジンコのことを気にしてると思ってんの?」 その言葉に、しばしフリーズした。 「なぁ~オレとお前、いくつ歳離れてるっけ?」 ボソリ呟くと、指を折り始めた。
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