Winter Lovers

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「俺、多分正月には帰れると思う」 バスが来て、乗り込む順番を待つ月征に、陽向は告げる。というか、絶対帰る。逢いたい人がいるから。 「俺も、また来るよ」 「今度は連絡寄越せよ」 「わかってる。次は早川も連れてきたいな」 「そ、その時はさ…」 しーちゃん、連れてきてくれない? 直ちゃんと一緒、なら、しーちゃんも来やすいし、ご両親の受けもいいだろうし。ばあちゃんち、ぼろいけど広いから、お前らくらい泊められる。 陽向が必死にアピールすると、月征はもっと顔を綻ばせた。 扉が閉まると、バスはのそのそと動き出す。窓にもたれると、陽向が手を大きく手を振っていた。あの調子じゃきっと、車体が見えなくなるまでやってるんだろう。 (来て、良かった) 講義を1日まるごとサボって、直を絶句させての強行日程だったけど。 あんな夢を見てしまったから、もしかして陽向に片想いしてる頃のようなジリジリした気持ちが蘇ってこないか、危惧していたが、陽向に会ってる間の自分は驚く程、穏やかだった。彼との距離が適正に開いて、彼への思いも友情以外のものは混じってないのだと、改めて認識出来た。 双方向に向いたベクトルで、互いに惹き合う強さも同じ。月征の方にだけ傾いてた負荷を戻してくれたのは、直であり、詩信なのだろう。 (まだ、寝てないよな) 時間を確かめてから、彼女へのメッセージを送った。 ――今から帰ります。プレゼントも渡したよ
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