Winter Lovers

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◇◆◇◆◇ (昨夜の電話では、一言もそんなこと言ってなかったのに) 朝いちで、目の前に届けられた箱を、詩信はじっと見つめる。透視能力なんてないから、中身はわからないけど、でも。 今日が24日なのだから、おそらくクリスマスプレゼントなのだろう。 (直接会って渡したかった…) 悔しさともやもやを抱きながら、作ったークッキーは、敢えてハートの形を崩して焼いた。ある種の嫌がらせ。でも、わかってほしい。なんとも思ってない人に、女はそんなことしない。 昨日の電話で、陽向は怒るどころか、喜んでた。美味しくてパクパク食べた、とも言っていた。 その電話から8時間後、詩信の手元に届いた小包。恐らくは、詩信のプレゼントを受け取る前に、出したものだと思うのだが。 あたしに受け取る権利あるのかな。ひなちゃんの気持ち…。 躊躇いながら封を切る。 箱の中にショップのビニル袋。更にその中に、紙の箱、そして白い紙に丁寧に包まれた手袋が入っていた。 (…可愛い) 真っ白い手袋で、手首のところに金具のリボンがついてる。嵌めてみると、大きさはぴったりだった。 仕事の時間かな。お礼を電話で言うか、メールでするか迷っていたら、着信があった。掛けようと思った相手からの電話で、詩信は左手に手袋をしたまま、電話に出た。
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