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「まぁいい、いつまでも寝そべっていないで身体をおこしたまえよ」
テクテクと、歩きつつシィが言った。
「いや、身体動かないんだ」
「さっきミィに顔を掴まれた時、痛みを感じただろう? なら、薬の効力も切れかけている、ゆっくりなら、動かせるさ」
そっと指先を動かしてみる、確かに動いた、そのまま上体を持ち上げる、ずっと同じ姿勢でいたせいか、身体中がミシミシと軋み、パサリと掛けられていた、シーツがずり落ちて見覚えのない札のようなものが、胸板に張り付いていた、何か書かれ ているが、外国語ようで読めない。
「まずは、何から説明しようか、いや、謝るのが先かな」
シィが、コーヒーカップをゆらゆらと揺らしながら、その態度からは、謝罪の意志はあまり感じない。
「まぁ、じらしても無意味だな、貝塚訊くん、君は半分死んだ、すまない」
まるで、朝の挨拶をする口調で、シィは言った。
「その代わり、ゴーレムとして生き返った、はい、説明終わり」
「待てぃ!! 何がなんでも杜撰過ぎるわ!! そもそも、この札は? 半分死んだって? ゴーレムって何だよ」
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