例えば……

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「罵倒されると思っていたけど、お礼を言われるなんてね、ショックで頭がおかしくなったかな?」 キョトンとした、表情でひどいこと言う。 「むしろ、元に戻る方法はないかと聞くべきじゃないかな?」 「あるのか?」 答えはだいたい、わかっていたけれど、聞いてみた。 「さぁ? ないと言うならないし、あるならあるんじゃないのかな、訊くん、君はどうしたい?」 質問を質問で返された上に、答えをはぐらかし、あまつさえ、どうしたい? などと聞かれる始末だった、誉められたらわざと、拗ねてる性格なのかもしれない、もちろん、戻りたいがその方法なんてあるか、俺にはわからない、出し惜しみする場面じゃないことは確かだが、何かしらの目的があるのだろうか? 「どうしたいって? シィ、俺は何かするのか」 「まぁ、ここで死ぬか、僕の仕事のお手伝いをするかだよ、前者ならそこでおしまいだけど、後者ならその方法も見つけられるかもしれない」
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