白黒……

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身体が、くの字に折れ曲がっても衝撃を殺すことができない、無防備な土手っ腹に叩き込まれ拳は止まることを知らないまま打ち抜かれた、俺はそのまま、地面を声もでないまま勢いよく転がっていく。 「アハハハ、飛びました、ええ、飛びましたとも、でーもー、ご安心ください、すぐに楽にして差し上げます、痛いのは最初だけ、すぐに安らかな安眠を、この世界を揺りかごに、この街を墓標に貴方は眠る、そして、私は貴方になる、貴方の全てを喰い尽くし、殺戮と混沌を撒き散らし、この創造と構造のゴーレムの力で人間を皆殺しにしてあげましょう、嗚呼、楽しみです、楽しみです」 その真紅のドレスはまるで、被害者の返り血に染まった殺人鬼のようだった、地面に転がっている、俺に向かってゆっくりと歩いてくる。 「……ふざけているのか、皆殺しなんてダメに決まってんだろ、それに俺を喰い尽くす……」 意識が霞む、殴られた腹部を抑えると、拳の形に抉られていた。 「そうです、その態度が気に入らないの、何の覚悟もないくせにいっちょ前に正義をの振りかざそうとする、中途半端な行為がどうしようもなく、苛立たせる、気に入らない!! 気に入らない!! 自由な肉体を持っているくせに!!」 片手を振り上げ、少女は叫ぶ。 「見せてあげましょう!! 創造と構造の力を、ゴーレムの力を!!」
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