白黒……

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「ハァッ!! ハァッ!!」 俺は、後方に走り出していた、悠長に眺めてる余裕なんてない、明らかに危険だ、殴られた腹部が芋虫でも這いずってるような痛みが蔓延り、警鐘が鳴り響く、危険だ。 あの少女にゴーレムの力があるのかわからなかったが、そんなことはどうでもいい、とにかく逃げることだけ考えて走り出していた。 「どこに行くのかしら?」 真後ろで声がしたかと、下方から、背中に拳が振り上げられると共に皮膚が剥がれるような感覚が身体を突き抜けていく、ゴロゴロと地面を転がった。 「嗚呼、滑稽、なんて滑稽なんでしょう? これが私の主人格なんて、でも、もうすぐで私の身体になるの、楽しみ」 「…………うぐぅ」 あの時、あの刀に襲われた時のように這って逃げようとした途端だった、両肩と両足を掴まれ、無理矢理、宙に浮かされて少女と向き合い、俺は言葉を失った。 「その諦めの悪さだけは認めてあげましょう」 少女の脇腹から二本、肩から二本、新しく腕が四本、生えていた、それが、俺の両肩と両足を掴んでいた、。 「ま、逃がしませんが、さぁ、おとなしく喰い尽くされてしまいなさい、苦しみたくないならなおのこと」 六本の腕が生えた異形の少女は、ニッコリと笑い。 「いただきます」 残った、二本の腕が俺の腹部を殴打していく。
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