ゴーレムになりました。

白黒……

全てを喰らうという意味を、俺はどこかで履き違えていた、全て喰らうことがゴーレムの力や身体だけじゃないとしたら？ 全てだ、そう、全てを喰らうことが俺の内面的な欲望や希望、夢、人格を喰らうことだとしたら？ その逆だってありえるかもしれない。

少女の内面的な部分を喰らうことができる。

少女の内面的な望みを知れる可能性、和解への糸口を掴むための可能性、仮に造り物の腕、偽物だって、少女の一部であると推測し、的確に衝撃を伝えるためのパイプ役になる可能性、拳を潰されることを前提として一か八かの賭けに出るには十分過ぎた。

たとえ賭けに失敗していたとしても、少女の反応から確信に至ることはできたけれど、賭事とは何かを差し出すこと、勝てば望む物が得られるし、負ければ全てを失う、全ては運任せ。

そして、俺はこの一方的な賭事に勝ったことを宣言し、切り札を切るための布石を掲げた。

「ずいぶんとメルヘンチックな望みじゃないか？」
現に少女は顔を真っ赤にして震えていた恥ずかしいのだろう。確信を確実な真実にするために、切り札を切ろうとした。

「黙れ!! 黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ、今すぐ黙りなさい!! その口を動かすな!! もう、お前には喋らせない!! 」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

造られた四本の腕が無造作に振るわれ、けたたましい打撃音が路地裏に響き渡った。