例えば……

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目覚めて、真っ先に飛び込んできたのは、手術室にあるような、でかい円盤型の電灯のような物だった。 麻酔か何か効いているのか、身体は指先、一つ動かない、視線だけぐるりと辺りを見渡し、医療器具、薬品の瓶が納められた棚が立ち並び、だんだん、頭の中がすっきりしてきて、ネクロマンシーと言ってた、シィのラボラトリーだろう。 「あ、 起きたんですね、貝塚さん、ご加減はどうですか?」 ナース服を着て、正直、大丈夫なのかと聞きたくなるくらい色白の少女がいた。 「あんた、誰だ? どうして、俺の名前を?」 「これからのこともありますし、少々、調べさせてもらいました、あと、私は、シィ様の助手をしてます、ゾンビのミィ、気軽にミィとお呼びください」 「ゾンビ?」 ネクロマンシーといい、今度はゾンビ? 困惑する、俺にミィは人差し指を立てて。 「って、言われても、信じられないですよね、今、証拠を見せましょうか」 おもむろに、ナース服の裾を掴み、ヒョイッと掴み上げた。
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