ハジマリ

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「…おせぇ」 本当に遅い。 待ち合わせ時間を とうに30分はすぎている。 荒香 剛貴(アラカ ゴウキ) あだ名は、ゴウ あの馬鹿でかい声の主だが、 待ち合わせ場所に来ない。 ………一時間後。 「…何やってたんだよ。」 「女に捕まってた!」 「…」 そう、こいつはモテる。 異常かと思うほどに。 「怒ってるのかよー」 「…別に。で、どこ行くの?」 苦笑いを浮かべるとチラッと見える八重歯。 名前の割に爽やか系の優しい顔。 すらっとしていてファッションセンスもいい。 女がたかるのも分からなくはないか。 「ちょっと待ってなー!今調べる」 今からかよ… 笑顔で携帯をいじっているゴウ 「ハァ…」 俺は思わず、ゴウに聞こえない程度にため息を吐いた。 『…よ』 ん? 「何か言ったか?」 何か聞こえた。ゴウか? 「え?何も?」 不思議そうな顔。 「空耳か…」 確かに何か聞こえたような…
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