106人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
「大丈夫。凛に何かある方が大変だからね。さあ、早くしないと学校に遅れてしまう。行こう」
「…うん」
再びお父さんは車を走らせた。
――さっきのおばあさん。
あれは、いわゆる妖怪、というものだ。
実際あんなおばあさんがいたら大変だ。
――僕には、妖怪の血が流れている。
ほんの、本当にほんの少しだけど、妖怪の血筋が混ざっているのだ。
僕の死んだお母さんがその血筋で、お母さんのひいひいひい…おじいちゃんかおばあちゃんが妖怪だったようだ。
そのおかげ(?)か…僕は妖怪が見える。
お母さんも妖怪は見えてたらしいけど、僕は少し強く妖怪の血を受け継いでしまったらしい。
僕の普通の人間よりも強い力を求めて、僕はよく妖怪たちに襲われた。
そんな妖怪たちから僕を護るために、お母さんはよく体を張っていたらしいけど…妖怪の瘴気に当てられてしまい、それが原因で亡くなってしまったようだ。
それからは、お父さんと二人、少しでも妖怪のいない場所を求め、各地を転々としてきた。
そんな時、聞いたのが、奥山町だった。
最初のコメントを投稿しよう!