そして出会った

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「大丈夫。凛に何かある方が大変だからね。さあ、早くしないと学校に遅れてしまう。行こう」 「…うん」 再びお父さんは車を走らせた。 ――さっきのおばあさん。 あれは、いわゆる妖怪、というものだ。 実際あんなおばあさんがいたら大変だ。 ――僕には、妖怪の血が流れている。 ほんの、本当にほんの少しだけど、妖怪の血筋が混ざっているのだ。 僕の死んだお母さんがその血筋で、お母さんのひいひいひい…おじいちゃんかおばあちゃんが妖怪だったようだ。 そのおかげ(?)か…僕は妖怪が見える。 お母さんも妖怪は見えてたらしいけど、僕は少し強く妖怪の血を受け継いでしまったらしい。 僕の普通の人間よりも強い力を求めて、僕はよく妖怪たちに襲われた。 そんな妖怪たちから僕を護るために、お母さんはよく体を張っていたらしいけど…妖怪の瘴気に当てられてしまい、それが原因で亡くなってしまったようだ。 それからは、お父さんと二人、少しでも妖怪のいない場所を求め、各地を転々としてきた。 そんな時、聞いたのが、奥山町だった。
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