☆4月☆

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何から手をつければいいんだろ… 椅子に座り、異動に関係しそうな書類をひっぱり出してみる その時ふと横に気配を感じて振り向くと、中島くんが隣の席に座り、椅子を転がしてきた 「何…ですか?」 「異動の書類…場所さえ教えていただければ、自分で探しますよ」 「え?」 「忙しいでしょ?」 まあ…確かに、所長に色々言われたから忙しいけど… 「僕支社で総務に居たんで、異動関係とかは分かります」 そう言って手を出す 「お願いします」 書類の入ったファイルを渡す時に、手が当たった 「あ…。すみません」 思わず手を引っ込め、頭を下げられる その時の表情は、可愛らしいというか何というか… 「あ…。いえ…」 あたしも頭を下げた 顔を上げた時にバッチリと目が合う そこには、満面の笑みを浮かべる中島くん 何だ、この子… それが顔に出てたのかもしれない 思わず顔を逸らし、オーナーさん達の資料の続きに取り掛かった
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