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「あたしの写真…バラ撒きたかったら、バラ撒けば?…あたしのこと…忘れるぐらいなんだし…。その女の人にでも、彼女のフリしてもらえばいいじゃない…。あたしは…もう…ヤダ」
「………分かった」
涙を堪えきれなくて俯いたあたしの頭上から、中島くんの声が降ってくる
たった4文字の短い返事
それだけ残して、中島くんは喫煙室から出ていった
罰が当たったんだ
中島くんが好きって気付いたのに、拓実が他の女の人と来てたことにショックを受けて…
それでも、拓実と一緒に居るトコを中島くんには見られたくなくて…
中島くんが居なくなった理由が女の人って分かって傷付いて…
全部、自分がフラフラした末の結果
でも―――
自業自得だって分かっても…やっぱりツライよ…
日曜日のことが、頭の中をグルグル回る
『もう…誰でもねーよ。だから、西山さんと来たんだろ。嫌だったら帰るか?』
『うざい』
『俺のプライベートに、ズカズカ入り込んでくんな。アンタ、俺の何?彼女でもないくせに、ゴチャゴチャ言うの辞めてくんない?』
中島くんにとって、あたしって何なんだろ
次々と涙が溢れてくる
答えは、永遠に聞くことはないのかもしれない
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