☆5月☆

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思わず、中島くんの顔を凝視した 「意識した?」 「べっつに」 とはいうものの、そんなことを言われると無意識に意識してしまう 「子供じゃないんだし、そんなこといちいち気にしないわよ」 「あっそ」 そう言って、どんどん距離を詰めてくる中島くん 思わずあたしも後ずさる ジリジリと下がっていくと、ベランダの端に背中が当たった チラッと横目で後ろを見ると、そこはもうマンションの端 「あんまり下がると、落ちるよ?」 「じゃ…じゃあ、近寄ってこないでよ!」 その言葉に、ニヤッと笑う中島くん 暗い闇にもだいぶ慣れてきた目 いつもと同じ悪意たっぷりの笑顔で近付いてくるその表情は、あたしを開き直らせた あたしの両脇の間にスルッと手を入れ、ベランダに両手をつく どうせ、いつも寸止めだし… そう思っていると、ふいに中島くんの唇がおでこに触れた え…? ちょっと待って――― 急なことで、停止する思考回路
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