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しばらくして警察が現れ、引き剥がすようにマスコミたちは排除されてしまう。
それで、ますみは解放された。
こうなると、マスコミの興味の方向は自然と動く。愛人の存在が、明らかになっていない東山の不倫関係の有無だった。
「そんなもん、いるに決まってるだろうが。何なら、三人や四人とか複数でな」
「いや、いくら何でも複数は……」
「東山ほどの資産家なら、寄ってくる女はいくらでもいる」
「だからって、愛人が複数あるのとは別の話しでしょ」
山本 ますみの勤める店の前から、撤退するマスコミ関係者がそう会話を交わす。
その口調は、下世話な世間話しのよう。
警察はもちろん、マスコミ関係者も四人の被害者の関連は掴めていない。だが資産家たちには、いくつかの共通点が存在していた。
身代金の一億円を、容易に準備出来る事。
妻が専業主婦である事。
子供がいない事。
千葉県内で成功を納めた事。
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