737人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも、たまには息抜きしたくならないの?」
「そりゃなるよ。
シンちゃんみたいにこんな可愛い恋人がいればそれだけで癒しになって一息もつけるんだけどねー……」
「へへへ……」
千波が頬を染めながらウーロン茶のグラスを口に運ぶ。
その様子に俺も小さく微笑んで、少し機嫌を直した。
「だからね、明日は気晴らしに同窓会に行くことにした」
かっきーはそう言って、俺がツマミに出していたピーナッツを口に放り込んだ。
「同窓会?」
「うん。って言っても大学の時のゼミの集まりなんだけどね。
だから同期生だけじゃなくて先輩とか後輩もごちゃ混ぜなんだ。
久々に何人かまとまって都合ついたから集まろうって話になって」
「へー、羨ましい」
俺は自分のグラスに酒を注ぎながら、清海以外の学生時代の友人に会ったのはいつだったっけ?と思いを馳せた。
このような接客業を仕事にしてしまうと昔の友人たちと時間を合わせることは難しい。
店を始めたばかりの頃は何人か遊びに来てくれたヤツもいたが最近はすっかりご無沙汰だ。
最初のコメントを投稿しよう!