番外編3・黄色いラブレター

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そうだったのかな? シンタくんもあの時、今の私と同じ気持ちだったのかな? 「はい」 雪がテーブルに置いてあった私のスマホを差し出す。 「せめて写真に納めとけば? こんな素敵なラブレター2度ともらえないよ?」 「いや、こんなのでよければ何度でも作りますけど」 然り気無く会話に入り込んできたシンタくんにブンッと首を向ける。 「い、いいから!1回で十分だから!! こんな素敵で心臓に悪い……」 真っ赤な顔でワタワタしながらスマホを操作した。 「千波」 「は、はい!」 撮影が終わるのを待ってかけられたその声にびくんと反応してしまう。 カウンターの向こう側でシンタくんが俯き加減に鼻の頭を掻きながら、珍しく早口で言った。
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