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「それ食い終わったら、昨日のあの写真俺に転送して」
「……へ?」
「だから、昨日の眠り姫。
これからは1人で寝付けない時、あれをお守りにして寝るから」
「…………」
これは、シンタくんの照れ顔を見たいと言った私へのサービスなのだろうか?
それとも素で言ってくれているのだろうか?
どちらが正解か分からないけど、シンタくんは少しだけ赤くなった顔でしきりに鼻を掻いていた。
「うわ……。食べ終わったら私帰った方がいい?」
また私と同じくらい真っ赤になった雪がせかせかとスプーンを口に運ぶ。
「ーーーとりあえず、私もいただきます……」
シンタくんから目を逸らして思い切り照れながら口に運んだオムライスは、とてもとても甘い味がした。
シンタくんから初めてもらった黄色いラブレターは胸焼けしそうに甘かったけど、全部食べ終わる頃にはお腹だけじゃなくて私の心も満タンに充たしてくれそうだ。
ハート型のニンジンを噛み締めた後、私はとびきりの笑顔でシンタくんに言った。
「今日のご飯もとっても美味しいね!」
ーーーENDーーー
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