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「シンタくん、私も何か飲みたい」
かっきーの豪快な食べっぷりを見守った後、可愛らしく首を傾げるのは "俺の" 千波。
「今夜は早くお店閉めてシンタくんの部屋に帰ろうね?」
顔を赤らめながらそんな嬉しいことを言っていたはずの恋人は、閉店時間ギリギリにやって来たかっきーを大歓迎してカウンターにぴったり横並びで腰掛けニコニコしていた。
今夜はお仕置き確定!!
絶対寝かせてやらないからな!!
俺は仏頂面でウーロン茶のグラスを乱暴にカウンターに置いてやった。
「かっきーさん毎日こんな遅くまでお仕事大変だね?」
「んー? そんなことないよ。
シンちゃんだって毎日遅くまで働いてるでしょ?
お仕事って、どんなことでもとっても大変なことが当たり前なの。
だからもう大変なんて思わなくなっちゃった」
「へぇ」
感心したように何度か頷いた千波が俺を見る。
俺もかっきーの言葉に同意して首肯した。
大変だと思うから疲れる。嫌になる。
こんなもんだと思えば、余程のことがなければ乗り越えられる。
仕事なんてそんなものだと思うに越したことはない。
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