1和 転校生

2/5
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
『正平和』 1和 転校生 此処は地球。 年号で言うところ、2013年からそう遠くない年。 まあ、季節の感じ方なんて人それぞれなので、想像に任せよう。 此処は、国なんて無い。 85%を占める科都市と15%を占める和都市に別れており、とくに対立してるわけじゃなく、反対に協力しあってる。 簡単に2つの都市を説明すると、科都市は科学、農業からオーバーテクノロジー、すべてロボットがこなしており、一家に1台おかれ、月謝は皆平等に配給される…というシステムで、運行している。 和都市は和風、住んでる人は、共通して、神の力…神力が使える。 簡単に言うところ、物体浮遊、瞬間移動、破損復旧…など。 差別の無いよう、幼少時代にすべての人民に、科都市なら、これまでの奴隷差別が引き起こした悲劇を脳に直接焼き付ける。 和都市なら、神力によって創られた、記玉…さわるだけでその風景が見れ、痛みも痛感できる。 地球が此処まで成るのに、かなりの悲惨な戦争になったとされるが、その結果、システム導入から速150年。 犯罪を犯す者は居ないという。 幼少からの道徳観学部により、怒りや嫉妬、悲しみや憎しみ。すべて制御できたのだ。 つまり世は平和----。 「………協和怪奇ノ書-浅和 牲怨」 「す、凄い!協和怪奇ノ書をすべて覚えてるなんて!」 「流石燥起」 -此処は和都市。 その中の和野心ノ里という処だ。 此処は、年々の少子化問題を解決すべく出来た【建和生孫研究所】簡単に言えば、子作りセンターでできた子…親の居ない子を、成人まで面倒を見るところだ。 書物をすべて暗唱してみせたのは、此処の管理人の息子の、<和夏 燥起>。 前髪を2つにきちんと別れた…しかし可愛いハネッ毛が目立ち、目もぱっちりとした、いわゆる、可愛い系男子だ。 女の子にモテるのだが、彼は女が嫌い…というか興味がないらしい。 体育は基本苦手だが、学力は上。 そんな彼を「流石」と褒め称えた人物は<建和 皆普>。 こちらは燥起ほどではないが、ハネッ毛が目立ち、学力は中の上。 こちらも大分と女子にモテる。 そして、「凄い!」と褒め称えた人物は<今和 結鹿>。 ショートカットの女の子だ。 学力は下の下。 この3人は和野心ノ里で育った。幼馴染みだ。 今年から中学生に上がる。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!