プロローグ

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私は1つの器。 【災厄】を私の命が尽きるまで封印し続ける。 それが私の生まれる意味。私が生涯を掛けて果たす使命。 その為だけに私は生まれる。 私は生まれる前から既に、私の生きる道が決まっているのだ。 まだ生まれていない私が言うのもおかしな話だが 私は別にそれが嫌ではなかった。 いや、違うか。私は別に何も感じなかった。 そもそもが、そんな感情を抱くのは無意味な事だと分かっているから。 器となる者達は皆、生まれる前、母のお腹で胎児になった時から知るのだ。 【災厄】封印した者は皆、人としての感情・心を失い、 生涯人形として生き、死ぬまで檻の中で生きる事を。 人形に自由などない。 過去に器として【災厄】を封印し生涯を終えてきた者達も皆、そういう風に生きていたのだ。 これから器として生まれてくる私も同様に生きる事になるだろう。
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