プロローグ

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そう、本当ならそうゆうふうに生まれ、生きるはずだった。 私の前に【災厄】を封印していた女性が突如姿を消した。 私が生まれる事はその女性の死を表す。 【災厄】の封印のシステムは受け継がれていくもので、その女性が器としての限界を超えた時に私は生まれ【災厄】を受け継ぐ。 そして私も自分の限界が来た時に、新たな生まれてくる器に【災厄】を引き渡す。 そうやって長きに渡り【災厄】を封印してきたのだ。 そうやって次は私に封印されるはずだったのだ。 私は【災厄】を封印することが出来なかった。 器はある。 だがその器に入れる物がなかった。 私が生まれたという事はその女性が死んだという事だ。 器が壊れたら、その中に入ってる物は当然出て来る。 それを防ぐために私が生まれるのだが、【災厄】を封印したその女性が姿を消して居ない為、引き継ぐのだがそれが出来てない。 私に引き継がれないという事、それは【災厄】の復活を意味する。 【災厄】は世界に破滅をもたらすもの。 そんな物が野放しにされるのは当然世界の終りを意味する。 当然、【災厄】を知る者達、封印の関係者達は皆騒ぎを起こす。 だが幾ら待とうと世界に異変は起こらない。 そして知るのだ、【災厄】は何者かに再び封印されていると。 私は生きる意味を失った。
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