プロローグ

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後にして考えると、初めて芽生えた感情がそれとはなかなか笑える。 だけどあの時の私は初めて得た感情に生まれて初めての興味を持った。 私はそれから死について考える。 どうすれば死ねるのだろう? 死んだら私はどうなるのだろう? 死んだ後は私は何処に行くのだろう? が、知識も何もない、感情すらよくわかっていない私が考えても何も分からなかった。 そもそも考えるという事すらよくわからなかった。 それでも、ない頭を必死に絞りだし、そして、1つの答えを出した。 そうだ死んでみよう。 器としての使命を果たせなかったは私は既にこの村から不必要な存在だ。 例え私が急に居なくなっても、誰も心配しないし、そもそも誰も何も感じないだろう。 次に死ぬ方法だが、死に方が分からない。 死に方が分からない私は、村の外に出る事にした。 器として生まれて来る前に、外の世界は危険な場所だと本能的に教えられているからだ。 本来、器となり【災厄】を封印した者は死ぬまで村を出る事は禁じられる。だが、私は違う。 私は外の世界に出る事が出来る。 沢山の木に葉っぱ、外の世界は緑に溢れていた。 「これが  そとの せ か い・・・・・?」 不思議な気持ちが込みあがってくる。 だけど、私はこの気持ちを知らない。 足を進める。 行く宛てなんて無い。だから、ただひたすら歩く。 歩き始めてからどれくらい経っただろう。 既に私は何処を歩いているか? 村に戻る道など、自分の居場所が全く分からなくなる。 それに足が徐々に動かなくなってくる。 足が動かなくなってきた理由は不明だが、私は足が動かなくなっては困るので、腰を落として木に寄しかかる様に座り込む。 ~~~~ 「あっ・・・」 思わず私はそのまま寝てしまった。 どれくらい寝ただろうか? 外の世界に出た時は晴れていたが今は雲が掛かっている。
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