氷+鏡+最強

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「だがそんな威力を出すにはそれなりに大きなレーザー砲と莫大な電源が必要…」 「つまりレーザーの能力を持った者の犯行というのが一番現実的…」 シノとエイタはソウイチが言うより早く理解する。 ソウイチは満足気に頷く。 「そう、そして被害者達には共通点があった。」 「一見関連はなさそうだが…」 ケイトは書類を見ながらぼそりと言う。 「実は彼らは全員"反能力主義者"達だ。テレビ番組などでも能力者の犯罪、ひいては能力者を痛烈に批判している。」 「ああ…この名前…テレビで見たことあるな…少し殺意が湧いたのを覚えてるよ。」 ケイトが呟く。 この世界には能力者と一般人がいる。 能力の有無は身体能力や社会的地位にも影響し、格差問題になっている。 そんな訳でお互いに差別する者が少なくないのが現状である。 「そして次の標的になりそうなのが彼、"安達順一郎"54歳。反能力主義のコメンテーターだ。知ってるだろ?」 「今日も朝のニュースで見たわ…この人が今回の要人ですか?」 「そう、本人ではなく警備会社からの依頼だ。なんでも今度パーティーに参加するそうでな…会場警備は問題ないのだが要人が心配だそうだ。本人はもちろん嫌がっているそうだが…」 「皮肉ですね…反能力者の要人を能力者が警護するなんて。」 エイタは苦笑しながら呟いた。 「そういう任務なら仕方ないわ。でも…警護ならエイタだけで十分なのでは?」 「もちろんエイタの能力は信じている。だが相手はレーザーの能力と予想される、レーザーと鏡は相性がいいだろ?」 「なるほど…能力の適性で追加されたのですね。」 シノとエイタは納得した様子で頷く。 「…俺は!?」 ワンテンポ遅れてケイトがツッコむ。 「コイツらは適性だろうよ!でも俺は?レーザー相手に氷って必要?」 「えーと…まあ、"流れ"だ。雑用でも何でもいいからサポートしろ。」 ソウイチはあっさりとあしらう。 「では3人共、今から要人の警護任務についてくれ。くれぐれも気をつけてな。」 「「了解!」」「えぇぇっ!?」 こうして3人の任務がスタートした。
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