氷+鏡+最強

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今回の任務は要人の警護。 まずはその要人、安達順一郎に会いに行った。 「おお…テレビ局って中入るの始めてだ…」 黒のコートを着た黒づくめの男、ケイトはウキウキしながら歩いていた。 ただでさえ胡散臭い格好だというのに今の季節は夏だ。 安達の身が危ぶまれている今、これほどまで怪しい者はいない。 控え室に到着するまでに既に3度警備員に声をかけられた。 そんなケイトに既にイラつく女、シノとそれをなだめる巨躯の男、エイタもいっしょである。 控え室に着くと部屋の中から怒鳴り声が聞こえた。 怒っているのは安達であろう。 すると、突然泣きながら若い女性スタッフが飛び出してきた。 「…何言われたんだ。」 「てか、なんでこんなに怒ってんのよ…」 「…まあ、入ろう。」 言いようのない不安を胸に3人は控え室の扉を叩いた。 「入れ。」不機嫌そうな声が帰ってくる。 部屋に入ると初老の男性が奥のイスに鎮座していた。 白髪混じりの髪と仏頂面、いかにもガンコ親父という感じだ。 3人は入口付近に並んで立つ。 「僕はワイパーのエイタです。この2人、ケイトとシノも同じく職員です。安達順一郎さんでよろしいですか?」 代表してエイタが挨拶する。 安達は入って来たのが能力者だと知ると目に見えて嫌そうな顔をした。 「ああ…話は聞いとるよ。だが私が本当に暗殺されるという確証はないのだろ?警護などいらんと思うのだがな…」 よほど能力者が身辺をうろつくのが嫌なのだろう。 「確かに確証はありませんが可能性は高いかと思われます。」 シノが明瞭に進言する。
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